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ＨＡＪＩＭＥＴＥとは、あらかわしずえ（イラスト）、ＬａＺｏｏ（プラン・デザイン）、学研（発売元）の３者が共同ですすめる、ベビーを中心とした幼いお子さん、お母さんのためのプロジェクトです。そのプロジェクトから生まれたのがこのホームページでご紹介している絵本たちです。おかげさまで、最初の作品「あらかわしずえ あかちゃんえほんシリーズ」発刊以来、皆様の絶大なご支持をいただき、１００万部を超える実績とともに、書店さん店頭にもすっかり定着することができました。ここで皆様のご愛顧にあらためて感謝の意を表させていただきます。
ＨＡＪＩＭＥＴＥのプロジェクトは世間の多くの赤ちゃん絵本にくらべ、ほんの少しの歴史しかありません。それどころか、生まれたばかりの赤ちゃんのように新鮮で、つやつやとしています。今後このプロジェクトがどう育っていくのか、ＨＡＪＩＭＥＴＥのスタッフにもはっきりとはわかりません。そこで思うのは、この「赤ちゃん」を育てていくのは、お客さまである皆様なのかもしれないということです。このホームページを通 じて、どんどん皆様のご要望、ご感想はもとより、アイデア、夢、プランなどおよせください。その栄養を吸収して、ＨＡＪＩＭＥＴＥはぐんぐん成長していきます。
読者の方からよく「ＨＡＪＩＭＥＴＥの絵本にはやさしさがある」といわれます。ではそのやさしさとは何でしょうか。よく考えてみるとこれほど難しいことはありません。「やさしさ」は他のことばに翻訳できません。そこから先は「気持ち」の領分です。また、「やさしさ」は意図的に作ることもできません。もし皆様がおっしゃるようにＨＡＪＩＭＥＴＥに「やさしさ」があるとするなら、それは天から与えられたものというしかありません。
でも私たちは、次のことだけは守っていきたいと考えています｡まず、絵本を読んであげる方と赤ちゃんの間をつなぐ「ことば」を洗練させること。次に赤ちゃんをもっともっと「自由」にしてあげることです。つまり、読んで楽しく、読んでもらって楽しく、そして赤ちゃんを何かの型にはめるような窮屈さのないものを作っていきたいと考えています。真っ白い画用紙のような赤ちゃんの心に、きれいで、のびのびした絵の描ける「絵の具」のようになれたらいいな、といつも思って作りつづけています。
ＨＡＪＩＭＥＴＥは、「いわゆるキャラクター商品」ではありません。やっとウサギ、クマ、イヌに名前がついたところです。それはＨＡＪＩＭＥＴＥのポリシーである「自由」とも関係していて、赤ちゃんを固定した物語世界に入れてしまうことへの畏れの気持ちが、無意識に働いているせいかもしれません。ＨＡＪＩＭＥＴＥは「やさしさ」を持った、ひとつの世界です。そこでは皆、「やさしさ」という不思議な感覚につつまれて、自分の心を開放することができる。そんな場所のご提供を目指したいと思っています。ではＨＡＪＩＭＥＴＥに「物語絵本」がないかといえば、そうではありません。でも、そこで繰り広げられる、たとえば、ウサギのななちゃんのドラマは、ちょっと普通 のドラマとは違い、読者が参加して、ななちゃんといっしょに世界を造っていくことになります。
大人になったとき、そうやって見た「夢」が、心の中の大きな花として咲いてくれることを願って私たちは皆様といっしょに絵本や商品を企画してまいります。
2004.4
